日本語は習得に難しいから母国語で良かった。
そんなことを昔考えていました。そもそも日本語は難しいと言い出したのは誰だ?そんな疑問が湧いてきたのでひとまずネットで検索したところ、アメリカのFSIという外交官養成機関が英語を母国語とした大学卒の方が、別の言語で仕事ができるレベルになるまで必要となる時間を算出したという情報が巷に出回っているようです。このFSIが発表しているデータによると日本語は4段階中もっとも難しく、2200時間の学習が必要と記されています。
さてここで疑問が残ります。果たして2200時間習得にかかる言語が母国語で良かったのでしょうか。アメリカ人が2200時間かけて日本語を学ぶということは逆に日本人とっても英語をマスターするためにはそれだけの時間がかかるのではないでしょうか。ビジネスで使える必要があるか、日常会話ができればいいのか程度に差はありますが少なくとも1500時間〜は学習時間が必要かと思います。
日本の一般的な小学校〜大学までの教育過程において学校で学ぶ英語の授業数は約736時間という統計がベネッセより出されています。2020年より小学校教育にも英語が導入されました。小学校3年生から英語に触れ、5年生から正式に教科として英語を学びます。しかしそれらを足しても2200時間には遠く及びません。小学校5年生で習うのは週に2コマ程度で年間約70時間相当しかないそうです。海外生活で身につけたせっかくの英語、無駄にするのは勿体ないのではないでしょうか。
1.なぜ日本の教育ではしゃべれないのか
親であるあなたは喋れるか?それは学校教育によるものか、それとも別か
おそらくこのサイトに訪れた方は帰国子女の親御さんであることが多いと思います。では伺います。あなたは英語がどのくらい喋れますか?お子さんとどちらが流暢に喋れますか?その違いはなんでしょうか。そう、学校教育を受けた時間と場所です。お子さんは海外で思っている以上の時間を英語と接していたはず。それに対して親御さんが学校教育の一環として英語と接した時間はわずか700時間程度なのです。
もちろん親御さん自身が帰国子女で英語を話せるという場合もあるでしょう。そのような方は周りの同級生を思い浮かべてください。30人いるクラスに英語がペラペラと言えるほど喋れる人は何人いましたか?おそらく1人か0人でしょう。では、英語のテストはどうでしょうか。テストになるとおそらく高得点の同級生はたくさんいたのではないかと思います。なぜか、
それは日本の学校教育がしゃべる力に一切フォーカスしていないからです。受験で必要とされるのは文法や英作文いわゆる書き(Writing)と読み(Reading)でせいぜいあっても聞き取り(Listening)でしょう。いわゆる喋り(Speaking)を求められることはほぼないと思います。これは国の教育指針がそうなっているので仕方ありません。しかしながら社会人になったとき、今までほぼ求められて来なかったSpeakingがとても重要になります。もちろん資料を読んだり作成したり、という点でWriting、Readingも必要ですが外国の方と商談をするときなど必ず英語をしゃべる必要がでてくるのです。そんなとき、帰国子女のときのSpeaking力が残っていれば有利になることは間違いありません。
2.学校でバカにされて発音できなくなる
帰国子女の悩みの一つとして日本の学校の教育課程に問題があることをご紹介しました。しかしながら日本の学校にはもう一つ、とんでもない魔物が住んでいるのです。
それが他の日本の生徒です。
私はお調子者で人と喋ったりするのは得意でした。中学校で初めての英語の際に教科書を1人ずつ読む機会があり1人1行ずつほど起立し読みあげていました。その時当然のことながらネイティブとまではいかないものの良い発音で読みあげていました。すると他の生徒が「Dパパの発音変じゃね?」とか「あいつ調子のってる」とか心ないことを言う生徒が何人かいました。やがて授業が終わると「なんか英語で喋ってくれ」と言われました。なんか喋ってほど困るものは正直ないと当時の私は思っていて、そのまま黙ってしまいました。別にこれがきっかけでいじめになった等ではなく、単純に彼らからすればきれいな発音できる人が珍しかったんだと思います。しかし嫌な思いをしたくなかったので、それ以降私は学校では「This is a pen」を「ディス イズ ア ペン」とカタカナ発音するようになりました。
3.どんな教育をすれば英語を残してあげれるか
せっかく身につけたその英語力。忘れないようにするにはどうすればいいのか。あるいはそれを伸ばすためにはなにをすればいいのか。親であればきっと悩むと思います。学校教育だけではとてもではないですが、維持することは不可能に近いでしょう。最近私立学校では外国人の先生も増え、英語にふれる機会も昔に比べて格段に増えているとは思います。それでもせいぜい週に1回程度1クラス30人程度がまとまってその先生の授業を受ける機会があるかないかだと思います。絶対的に英語にふれる時間が短く密度も薄いです。
であれば、どうするか。
家庭教師、英会話教室、
大人であれば、バーに行って外国人と話すなどでもいいですが、未成年者の場合、日本で英語にふれる機会というのは親が意図的に準備してあげないとなかなかあるものではありません。家庭教師は非常におすすめで1対1で先生と仲良くなれるので私は非常におすすめしています。家庭教師をつけるのであれば絶対に外国人の家庭教師の先生をつけてください。どんなに発音がいい先生でも日本人でないほうがいいです。理由は簡単で授業中に日本語を話せてしまうから。もちろん外国人の先生で日本語がペラペラな人もいますが、基本的に英語の家庭教師の時間なので全て英語で喋ってくれます。そういった点は日本人よりもプロ意識が高いです。できれば日本語がしゃべれないくらいの先生のほうが英語を維持させるという意味では良いと思います。
家庭教師ではいい先生に出会えると本当に英語が楽しく喋れる、そしていつも同じ先生なので自分の強みや弱点を理解して指導してくれます。しかしながら、いい先生がなかなか見つけにくいという点。突然先生が母国に帰国してしまう可能性がある等の点がデメリットとしてあげられます。
いい家庭教師がどうしても見つからない。そんな場合は英会話教室に通学することをオススメします。私はこれは絶対にリモートではなく、教室に通学したほうがいいと思っています。リモートではどうしても伝わりにくい温度感というものがありますし、やはりコミュニケーションですので会って習うというのが一番印象に残ると思います。また英会話教室は絶対に個別指導をオススメします。集団授業の場合生徒2,3人に先生が1人、あるいはもっと多くの生徒がいるということも珍しくありません。英会話教室にせっかく来ているのに生徒同士が喋らされるというケースも日常的に起きています。お子さんはすでに英語が喋れており、その英語を維持向上させるために英会話教室に来ているのになぜ同じ生徒である日本人と会話しなければならないのでしょうか。
また英会話教室に行くなら必ず質の高い先生のいる教室を選びましょう。個人的に行ってよかったと思えた英会話教室はBerlitz、GABA。この2つであれば間違いないです。大人になってからもBerlitzにはお世話になっていますが、先生の質が本当に高いです。ただし授業料もお高いのがこの2社のデメリットです。
子供の将来性と授業料を天秤にかけたときにどちらを選択されるかは親次第と思います。実際行ってみて体験を受けた上でお子さんの意見を聞いてみてください。お子さんが受けたいと言ったときはぜひそれを叶えてあげればきっと大人になっても使える英語力が残ることでしょう。